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宿敵!ロミュラン帝国 The Enemyから 3つの交渉戦術 ピカードからの学び その4
今回はピカード艦長の交渉術を学ぶ内容となっている。イチかバチかの賭けに出る、ピカード艦長の素晴らしい指揮、リーダーシップが見れるストーリーを紹介しよう。
特に後半ラスト10分間にスリル溢れるピカード艦長の交渉が見もののストーリーが「宿敵!ロミュラン帝国、英題:The Enemy」だ。
スタートレックネクストジェネレーション、シーズン3の第7話、全体では55話目。
大まかなストーリーに触れておくと、ロミュラン帝国と惑星連邦との接触による危機をどう対処し切り抜けていくのかというもの。
惑星連邦と敵対関係にあるロミュラン帝国が一触即発の状態になるのだ。
3つの交渉は実を結ぶのか
このストーリーの中には3つの交渉が存在する。
- 一つ目はラフォージ中尉とロミュラン人戦士
- 二つ目はウォーフ中尉とピカード艦長
- 三つめ目はピカード艦長とロミュラン司令官
一つ目のラフォージ中尉とロミュラン人戦士の交渉は、説得を尽くすというもの。
お互いの利益が最大化するポイントを見つけ出すことに注力し粘り強く説得を繰り返す。
この二人の間では、相手の理解を生むための最も信頼を寄せる行動が先に戦意を捨てるということ。
真の信頼を得るためには、守り固める壁を取り除かなければならない。自らが先に心を許し
今を生き抜くことを呼びかけた。
二つ目はウォーフ中尉とピカード艦長
一人のロミュラン人の命を助けるためには、ウォーフの協力がなければ成し得ない状況。
(ウォーフはエンタープライズの保安部長の役割)
彼にしかない抗体がなければ助からない命がある。
しかし、彼はロミュラン人に両親を殺されたという恨みがある。素直には協力できないのだ。
副長のライカーは軽々しくも気持ちはよくわかると言ってしまう。
ウォーフには彼にしか理解できない心の闇があり、簡単に気持ちを理解できないものだ。
敵対するロミュラン帝国との交渉にはロミュラン戦士が生存していることが欠かせない。
ピカード艦長はウォーフへの協力を呼びかけた。
命令には従うとウォーフは言う。しかし、ピカードは命令ではなく、これは頼み事だと言う。どうか考え直してくれと。
これこそが相手の気持ちを本当に理解した行動なのだ。ピカード艦長の取った選択。この時のピカード艦長の表情はものすごく印象的だ。もはやウォーフが選択したのではなく、ピカードが自ら選択した瞬間の表情なのだ。
三つめ目はピカード艦長とロミュラン司令官
このストーリーで、ピカードの存在を見せつけてくれる場面だ。
この交渉の場は既に戦場だとも言い換えてもいい、
真正面で銃を突きつけ合う二人がいる。もう後には引けない。
しかし、この場面を解決する方法が銃を降ろさないと成し得ないものだとすると、どうするべきだろうか。
銃と銃が向かい合い均衡が取れている場面。片方が銃を降ろすとそれは死をも意味する。
交渉相手はもはや聞く耳を持たない。どうすればいいのだろう。
緊迫する時間が流れ、じっくりと考えたり副長に相談する余地はなく、艦長自らが迅速に指示をし、言葉を使って相手に次の一手を繰り出す。
もはや無いはずの一手を。
直感と経験から次の相手の一手を読む。
そして聞いているかもわからない相手に向けて、決してあきらめず言葉を投げ続ける。
この言葉こそ相手を動かすものだと信じて。
共に解決に必要なものがあるのにそれを掴むには銃を降ろさないといけない。
自分の行動を確信できた瞬間、銃を先に降ろすのは私だ。
失った信用を得るには進んで犠牲を払う覚悟を持たなければならない。
まとめ 勝利を見いだす能力とは
相手に向かって手を上げるのは誰にでもできる簡単な行動だ。これまで多くの場合問題解決に繋がる有効な手段と捉えられている。
今回のピカードの学びには、手を下ろすことによる問題解決の手段を見せてくれるものだ。
手を出すよりもさらに勇気を求められる行動であることは、このストーリーを実際に観ていただくとよくわかるもの。
誰もが交渉に勝つためには相手を征する必要があると信じてやまない。
しかし、相対する両者が勝ちを見通せない場合でも、両者痛み分けではなく、両者が勝利を勝ちとるシナリオを選択するべきだ。
何を勝ちとするのかを見いだし、相手にそれを理解させ、納得させる、そんなラスト10分間がこのストーリーの見どころだ。
このラストにはピカード以外が登場する余地はない見せ場だ。
このストーリーはスタートレックネクストジェネレーション、シーズン3の第7話目。
ネクストジェネレーションシリーズを観るためにはこの記事を参考にしてみよう
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