ピカードからの学び その2 「ファイナル・ミッション 新たなる旅立ち」からの学び

砂漠

今回は、第二回目として、ピカードを中心とした学びを紹介していこう。

 

「ファイナル・ミッション 新たなる旅立ち(原題:Final Mission)」ネクストジェネレーション シーズン4の第9話(シリーズ第83話)から。

 

タイトルの「ファイナル」の言葉からは何か壮大なスケールや、終焉的なストーリーかと期待してしまうが、実際のところそこまでの雰囲気はない。

 

ただ、このストーリーは普通になんとなくスタートレックのドラマを観る姿勢だけだと気付けない学びがある。このストーリーにはとても複雑な対比関係が張られているのだ。

 

学びのテーマ「物事の事情に応じて取るべき行動を変える」

状況に応じた対応

今回の学びのテーマを表すとこのようなものだ。

 

「物事の事情に応じて取るべき行動を変える」

 

よくあるリーダーシップ論の書籍などでは、理想とするべき行動論を説得力をもって語られており、そういった本などを読むとそうか〜なるほどと理解はできる。

 

しかし、実際の日常の場面では本で読んだノウハウを実践してもなかなかうまくはいかないものだ。

 

あなたもご経験はあるだろう。

 

そのうまくいかない部分を解消するための学びが、このストーリーにはしっかりと描かれている。

 

ストーリー中の対比関係を見ていこう

惑星

ストーリー中の対比関係を詳しく見ていくことにしよう。大まかに3つの対比が描かれている。

 

1つ目の対比

ピカード艦長とダーゴ艦長の対比

この二人の船長はまるで正反対の対照として描かれている。性格や、行動、結末に至るまで。

 

2つ目の対比

USSエンタープライズと、ダーゴ艦長のシャトル。

これは最新鋭の大型宇宙船とポンコツの小型のシャトルが極端に対照的となって表現されている。

 

3つ目の対比

三つ目はエンタープライズで起こっている時間の流れと、シャトル側での時間の流れの違い。

言い換えると、ライカー副長と、ターゴ艦長の対比とも言える。

 

このポイントが最も大きな学びのポイント。最初は前半の二つのポイントが目立ちすぎて気付けなかったが、ここがこの脚本の素晴らしいところだ。

 

ピカード艦長とダーゴ艦長の対比とは

ピカード艦長とダーゴ艦長の二人の違いは少々滑稽な表現で表現されている。

ストーリーとして笑いを取るものとはなっていないが、二人の真逆さが観るものに笑いを誘うのだ。

 

ピカード艦長のポイント
  • 常に肯定的、冷静な振る舞い
  • 無駄な言い争いは避ける
  • 命をかける自己犠牲

 

ダーゴ艦長のポイント
  • 扇情的、感情的、短絡的な思考
  • 常に争いには優位に立ちたい
  • 自分本位で他の犠牲を厭わない

 

どちらの行動が模範的なのかは言うまでもない。

ターゴ艦長のマイナス面としては判断力の欠如、場当たり的な対応、交渉力の無さなど、とにかくひどい人格となっている。

 

エンタープライズと、ダーゴ艦長のシャトルの対比とは

ここではそれほどの学びはなく、このストーリーのユーモアを表しているといったところだ。

 

エンタープライズで起こっている時間の流れと、シャトル側での時間の流れの対比とは

今回のテーマで最も大切な部分。

この対比はライカー副長と、ターゴ艦長との対比とも言い換えられる。

 

ポイントはそれぞれの時間の逼迫性の違いでふさわしい取るべき行動が異なるということ。この違いがストーリーの結末に繋がる。

 

 

このストーリーで学ぶべきこと

ファウンテン

「物事の事情に応じて取るべき行動を変える」を詳しく説明していこう。

 

今回のストーリーではリーダーの取るべく行動のスタイルに注目していこう。

 

エンタープライズ側の時間の流れと、シャトル側の時間の流れは異なる。

エンタープライズ側が緊急を要する状況。

シャトル側も一見したところ緊急を要する状況にも見えるが、実はそうではない。

同じ行動をすると解決の糸口から遠ざかるのだ。

 

エンタープライズ側
時間がなく、早く目の前の問題に対処し、迅速に切り抜けなければならない。
さらに次に対処しないといけない問題があるのだからなおさら。

 

こういった場合には、最短でゴールに向かうために、あらゆる対処を迅速に処理していくことが求められる。

 

即断と、実行で困難を切り抜けていかなければならない。

 

シャトル側
当初こそ緊迫性があったが、その後は考えようによってはいくらでもじっくりと時間は使える状況。(体力の話は別として)

ターゴ艦長はまるでエンタープライズで起こっている時間の流れと同じことをしてしまったのだ。

 

一か八かの賭けに出る必要などまるでなく、十分な検討を行えば答えに導ける問題だったはず。

 

素晴らしい行動論自体は、誰のためにもなり得るもの。しかしどんな場面も使える万能なものはない。

 

必要な知識を知らないよりも、知っている方が素晴らしい。

 

知識を知っているだけよりも、行動できるのはもっと素晴らしい。

 

今回の学びは、どんな場面でその知識を用い行動を行うかによっては事態が解決するどころか、自滅してしまいかねないというものをこのストーリーから得ることができる。

 

うまくいったライカー副長も、失敗する方のターゴ艦長も必死な行動でなんとか事態を打開したいとの同じ思いであったはず。

 

思いと行動だけではうまくいかないのだ。

 

まとめ 状況の見極めを養う

洞穴

今回は少々陳腐な言い方をすれば、状況の見極めがとても大切なポイント。

 

実際の日常の仕事においても、トラブルや、緊急を要するような状況は意図せず起こる事がある。

 

「急いで」行動することが事態打開に繋がると捉えがちなのだ。周りから急かされることもあるだろう。しかし残念ながら「急いで」は「慌てて」と同意であることが多い。

 

慌ててやることには、判断ミスや、失敗が付きまとう。

 

事態を静観できるなら、一呼吸置き、しばしじっと見守ってみることも一つの手だ。

 

あなたも経験は無いだろうか。

 

何もしなくても結果的にうまくいったというケースを。たまたま、何か対応をしようとしてできなかったケースもあろう。

 

何か対策をしようとする時点で、じっと静観する選択肢を自らの意思で見極められるようになりたい。

 

売られた喧嘩に飛びついてはいけないように、息を呑むことも大切なのだ。

 

今回のストーリーには、シャトル側にはもう一人、ウェスリー(若者の士官)が同行していた。

 

ウェスリーはターゴ艦長の無茶苦茶な行動や発言に飛びかかる反応を見せていた。観ているこちら側もイラッとする腹立たしい場面。

 

しかし、ピカード艦長は気持ちいいくらいに争いを回避する。常に冷静さを失わない。

 

ピカード艦長は、過去の起こった事に対しああだこうだと言うのは暇なときにやるべきこと、今目の前で起こっていることに対処すべきということを見極める目を持っているのだ。

 

是非今回のストーリーも実際にあなたの目で観てみよう。

 

スタートレックネクストジェネレーション シーズン4を観るにはこちらの記事からチェック

 

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